諫早三十三所観世音霊場  

 諫早日記によると、諫早11代茂図公の発願で、「家々長久繁栄、私領内安全、諸事運協(かな)い、子孫連続を願い、次には親類家老をはじめ私領中の人民が安全に家職にありつける」を祈願して私領内に建立したとある。享和2(1802)年5月18日に開眼供養された。

久山町の三十三観音

 諫早領内には、これ以外にも、三十三所観音霊場が幾つもある。観世音菩薩は三十三種の姿に変化して生衆を救済するとの教えに、観世音を祀る三十三ヶ所の巡礼が盛んになり各地に霊場が設けられた。諫早での例を見ると下記の通りである。

【磨崖三十三観世音】

慶巌寺の三十三観世音 久山の三十観世音

【三十三体の観世音像が一箇所に祀られたもの】

小野金毘羅岳(金毘羅宮境内) 永昌町八天神社境内 飯盛町田結観音寺境内

 諫江八十八ヶ所霊場巡りをしている内に、いくつかの観世音像が大師像と並んでいる姿が拝めた。「どのくらいの範囲で祭祀されているのか?」と関心を持っているうちに、平成元年発行の諫早史談二十一号で光冨 博氏の祭祀場所リストを見つけた。リストを見てみると行ったことがあるところばかり、「観音様なんて有ったかなぁ?」と思い出せない場所も有る。

 これから散歩のついでに、あらためてまわって見よう。

番号 観音名称 所在地(享和二年の所在地) リンク・備考
1 不詳 不詳(天祐寺境内であったといわれる)  
2 馬頭観音 天祐寺書院前山(同左)  
3 如意輪観音 中川原(天祐寺書院前山) ここから 
4 千手観音 天佑寺観音堂脇(天祐寺山門南脇) ここから
5 如意輪観音 天佑寺観音堂脇(天祐寺経堂脇) ここから
6 聖観音 天祐寺書院前山(天祐寺大門前西側)  
7 千手観音 天佑寺観音堂脇(大学院) ここから
8 千手観音 宇都墓地(四面宮社内) ここから
9 聖観音 岩屋山(同左) ここから
10 聖観音 正応寺(浦山) ここから
11 聖観音 正応寺(浦山) ここから
12 十一面観音 正応寺(同左) ここから
13 聖観音 正応寺(長慶院) ここから
14 聖観音 蓮光寺(同左) ここから
15 十一面観音 慶巌寺(同左) ここから
16 如意輪観音 慶巌寺(薬師) ここから
17 聖観音 金谷久保稲荷社(金谷町稲荷社) ここから
18 千手観音 清泉寺若松社(雲龍軒) ここから
19 千手観音 本清寺(大乗院) ここから
20 如意輪観音 善根ノ辻(同左) ここから
21 聖観音 竹ノ下、弁財天(同左) ここから
22 如意輪観音 仲沖公民館(仲沖) ここから
23 十一面観音 会下坂(明学院) ここから
24 馬頭観音 性空寺(同左) ここから
25 千手観音 平仙寺(八幡宮) ここから
26 十一面観音 厚生町松尾宅(福聚坊) ここから
27 聖観音 徳養寺(徳養軒) ここから
28 千手観音 廣福寺(同左) ここから
29 不詳 不詳  
30 聖観音 西郷町内田ハイツ敷地内(願成坊) ここから
31 十一面観音 諫早中学前(石坂山) ここから
32 聖観音 野中町628番地(茶臼山) ここから
33 不詳 不詳(平仙寺であったという)  

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