別府八湯温泉道表泉家の心得

 温泉道の表泉家の門人は、温泉道に邁進する上での厳しい?心得がある。これを遵守するものだけが入門を許される。

別府八湯温泉道表泉家の心得(青字の原文はスパポートより引用)

1. 入浴マナーを守る事 

 入門者は、入浴時のマナーを守り、気持ちの良い入浴を心掛ける事。局所への掛け湯不足、水道水の無茶出し、大声での仲間打ち会話が最も忌み嫌われるものであると心得る事。

 一日に何箇所も回っていると掛かり湯もぞんざいに成りがちだ。どんなに自分の身体が清潔だと思っていても他者には判らない。他者に不快感を与えないように毎回きちんと隠し所を洗うのが礼儀。

 誰も居ない湯でも、みだりに水を入れるなど我侭は厳に慎む。その湯の有るがままの状態で浸かるのが修行とわきまえる。

 温い時に源泉を開けて湯温上げたときは出るときに元に戻すか止めるのは可。

 仲間内で回ると周りが見えなくなる。修行は一人で回るのが最上と心得る。

 最近のゴールデンタイムの竹瓦温泉に立寄れば、観光客のマナーの悪さを体験できる。温泉道表泉家の門人は、この連中と一線を引いた態度でありたい。

 しかしながら食事を摂る時は一人は寂しい。まぁこれも修行か?

2. 同時入浴者との親睦に努める事

 入門者は、同時入浴者との親睦に努め、円満な人間関係を築く事。特に湯温調整には気を払い、水道水の加水は温泉成分を薄めてしまうものと認識し、「すみません、アチチなので」の一声を掛ける事。

 礼儀をわきまえて居れば、おのずと先人の方から「熱ければうめて良い」と声を掛けてくださる。その際は「ありがとうございます」と応えた上で、そのまま浸かるのが修行と心得る。(浸かれない時もかい??)

 何処から来たかと問われれば「長崎から・・」と素直に応えて、先人と話を始める。「ここの湯は良い」とは口にしても良いが、みだりに他所と比較して批判じみた事は口にしない。多くの別府人は他の町内の町湯に出かける事は無い。皆自分の所の湯が最上と思っていると判断しておけば間違いは無い。

 余所者はアチチの湯に浸かれないと思い込んでいる別府人に「ふたら温りいより熱チー湯が良い」と平然と浸かるのが上々。ただし声に出すときには「ふたら」は省く事。

3. 番台人との親睦に努める事

 入門者は、番台人との親睦に努め、良好な人間関係を築き、温かな思い出作りに励む事。番台人は、各温泉施設の指導者であり、その地域の師である。

 訪れる度に声を交わしていると「また来ちょるの」と気さくに声を掛けていただける。番台さんと話しこむ機会を得るには暇な時間帯に立寄るのが望ましい。その為には幾度も足を運ぶ事となり、修行を重ねる一助と成る。

 近くの温泉の改修(休み)計画等が聞けるようになれば上々。

 永石温泉の番台さんは、顔を合わせる度に声を掛けて下さる女性が居る。この番台さんに会うのが今では楽しみでもある。

4. 自らを客と思わぬ事

 入門者は温泉において自らを客と思わぬ事。特に共同温泉では、他家の浴室を訪れる気持ちを忘れぬ事。地球の恵みたる湯を純粋に信奉し、感謝する事。

 特に町湯に浸かるときは、この「他家に貰湯に行く」心構えが重要。即ち、その湯毎にあるローカルルールに従って入湯するという姿勢が肝要。

 別府人にもマナーの悪い者は居る。大声で奇声を上げるクリカラモンモンも居る。満足に掛かり湯もしない輩も目にする。そんな事は何処にでも変な奴は居るものだと、笑い飛ばす心も時には必要。

 神丘温泉が100円に値上げになったら、よく今まで50円で頑張って呉れたと感謝できる気持ちに成る事が上々。

 野湯を楽しんだらゴミの一つも拾って帰るのが感謝の心。

5. 湯の質をよくよく見極める事

 入門者は、風呂設備のみにとらわれる事無く、湯そのものの質を味覚触覚嗅覚視覚を総動員して見極め、それぞれの湯の個性を楽しむ事。また、その楽しさをうるさがられるほど語る事。温泉道表泉家参加施設の湯は世界中の湯の質十一種の内、十種類を網羅しているし、八十八湯は異なる個性を持つ。このような湯の理想郷は世界広しと言えども別府八湯唯一のものである。

 泉質を見極め楽しむ事は重要な要素では有るが、やれここの泉質は等と吹聴するのは門人として下。温泉道の楽しみを語るには「別府という地域に、それぞれ個性的な湯が有って湯巡りにこれ程良い場所は無い」程度に留めるのが中の上。

 放射線湯は別府に無い佐賀の古湯が・・・等と語るのは下の下。中途半端な温泉通のように振舞うのは品が無いと心得る。

6. 体調管理に留意する事

 入門者は、自身の体調管理には充分に留意し、湯当たり等の無い様にする事。特に一部施設は高温(=アチチ湯)で知られるので、掛け湯等を充分に行い、しかるのち入浴する事。

 体調管理に心掛けるのは最も重要。別府に来て体調が悪くなった等とは有ってはならない。

 温泉道で肌の調子が良い。飲泉で食欲も出た。肩こりが治った。湯巡りでダイエットが出来たと別府の良さを語れるように成る事が上。

 昨年10月から毎週のように温泉道に精励していたら、93kgあった体重が5kg減って調子が良い(実話です)し、今シーズンは風邪も引きこんでいない。こう有るべきだ。

7. みだらに苦情を申し立てない事

 入門者は、少々のトラブル等については笑い飛ばす程の度量を持つように心掛ける事。所詮はお楽しみ企画である。

 やれ、○○荘は立ち寄り湯を断るとか、△△温泉は昼の休憩時間に入るのが公表時間より早すぎるだのの苦情は門人同士の情報交換以外では口外しない。

 少々のトラブルは、表泉家門人の為に修行の場所を提供して頂いていると、感謝の気持ちを持つ事が肝要。

 多少苦情があろうとも、温泉道で別府に泊まるなら、事情の許す限り参加施設に宿泊し、経営不振で休業を余儀なくされた名湯が幾つも有る事を忘れず、僅かでも地域に貢献できるよう心掛ける。

 食事・土産もまた温泉本に掲載された施設を優先的に利用するよう心掛けるのが中の上。

 温泉道(本)に来年もまた参加しよう。参加して良かったと施設にも思って貰わなければ、10年続いた温泉道も終焉を迎える事になる。

 表泉家の門人が増え別府の観光に一役買って、観光客が皆「温泉本」を持って歩くときが来るまで可能な限り別府に訪れる事を心掛ける。

8. 奢る事なかれ

 入門者は、たとえ表泉家八十八ケ所をすべて制覇した(満湯成就と言う)としても決して奢り高ぶる事の無いように心掛ける事。賞賛に値する事ではあるが、別府八湯二千八百四十八源泉の一部を制覇したに過ぎない。二回目の満湯成就を目指すか、もしくは臨時に創設される予定の裏泉家に入門する事。更に奥の深い別府八湯の神髄に迫る事ができる。

 名人等と言っても、たった88ヶ所の湯に浸かっただけである。今でこそ参加施設が多くなり、回り易い施設を選ぶことが出来るが、せめて全湯制覇はした上で、気に入った湯を選び再び名人と成る事が中の中。

 温泉は生き物であり、ひとたび湯船に注がれれば其処の水とも出会い変化し時間経過に因っても変化する。

 同じ湯に何度浸かっても新しい発見があり驚きがある。さらに精進して永世名人となれば上の中と心得る事。

 しかし、裏泉家を巡る事は私の様な末席の門人にはチャンスが無いので、自力で回るしかないか?

9. 皆で温泉道をもりたてる事

 入門者は、入浴記念印の紛失、改善点の指摘等については積極的に事務局(電話0977-24-2828)への連絡を行い、入門仲間が快適に入浴を行える様、努める事。

 工事休業や営業時間の変更などを目にした場合は、速やかに事務局に伝えるのが原則では有るが、電話は対応者の都合を無視して忙しい時に対応を迫る場合が有ると自覚し、この文が読めるものはインターネットの環境が有る訳だからメールや掲示板に書き込むのが中の下。

 さらに自分自身のHP等、広報手段を持つならば併用するのが中の上。

10. 別府八湯の文化の知識研鑽に努める事

 入門者は、別府八湯の各地域で行われる「八湯ウオーク」や各種催し物、お祭りにも積極的に参加し、市民との親睦、歴史文化の認識、生活文化に触れる事。 「八湯ウオーク」に関する詳細は、事務局に問い合わせて情報を入手する事。

 ただのスタンプラリーと考えず、別府を愛する心を持って温泉道の修行に励む事が肝要。

 地域の歴史文化という背景を知ってこそ、別府の温泉文化が味わえるとわきまえる。

 温泉まつりのスタートが休みに関係なく4月1日である事に苦情を言うのではなく、地域文化としての温泉感謝祭と商業イベントとしての温泉まつりを区分けして、県外観光客の集客を望むなら巡回バスの温泉スタンプラリーは土日に開催するのが良いのではないかというような建設的な提言を行う事は情報入手以上に有益ではないかと考える。

11. その他

 入門者は、別府八湯温泉道表泉家の厳しくも愉快な修行を通じ、真の別府八湯ファンとなり、市民であれば観光客へのご案内業務。市外民であれば、別府八湯の宣伝に努め、将来的には別府市民資格の取得を目標とし、湯の理想郷に頭までどっぷりと浸かる事を希望する。温泉道参加施設については最新の情報を入手すべく、「別府八湯温泉本」を購入するか温泉道HP http://www.beppu-navi.jp/onsendou/をチェックすべし。

 温泉道の公式ホームページの更新が遅いなどと苦情を言わず自ら情報を届けること。

 別府市民となって定住する事は、長崎を愛する私には無理かもしれないが、末永く別府と係りを持って暮らしたい。

以上を守れる者、入門を許可する

04/10/2010更新

inserted by FC2 system