三ヶ月も修行をサボった事はかつて無かった
 8月上旬に別府八湯検定を受けに来て以来、はや三ヶ月も時が過ぎてしまった。業務関係の縛りで県外に出にくかったとはいえ久々の温泉修行となった。(11/11-12/2011)

09/04/2010の事件も犯人が逮捕され一年が過ぎた
鍋山への入口は今

 昼食を摂りながら打ち合わせを済ませて移動中。沿線のイチョウが黄金色に輝いてるので杖立の下城イチョウは見事だろうと期待して立寄ったが既に落ち葉なってしまっていて見事なのは黄金の絨毯だけだった。樹齢1千年を越える大イチョウは周辺の木々に比べて早いのかな?

 道の駅小国「ゆうステーション」で飲み物を買おうとして寄ってみたらEVスポット(電気自動車充電施設)が目に付いた。日産の電気自動車が本格販売を開始しているのにEVスポットがと思っていたが、こんなところにも整備されてある。バッテリーの容量が倍になってEVスポットのインフラ整備が整えばガソリン車は趣味の乗り物で実用車は全て電気自動車に成るのが実現しそうだ。

 湯布院で野暮用を済ませて東に向かう。小国から九重に向かう沿線もそうだったが、ここ塚原でも紅葉はもう少し先になりそうだ。

 大分での野暮用に少し時間が有るので塚原の火口乃湯で露天に浸かる。ここはもう別府八湯温泉道のエリアだ。なんと三月ぶりの修行は農作業でかすり傷を負ったことを思い出させる強酸性の湯だ。ピリピリとした刺激も楽しい。

 そのまま野暮用に向い「顔を忘れるところだったよ」と冷やかされながら打ち合わせ終了。先方の手が空くまで少し時間が有る。久しぶりの別府だから・・・・

 風月に寄ってから如意輪に向かう。この道は何時も綺麗に手が入って花を咲かせているが、今日は畑の内も外も小菊が見事だ。

 今日の宿が雄飛なら晩飯は「とよ常」だねと云っていたので時間合わせに薬師湯と北浜の好楽に浸かる。

 チェックインして降りて来ると先方は先に来て注文を済ませている。メニューは同じ物を頼んでいてくれたので即「乾杯」となる。

 四方山話が済んだらまだ資料をチェックしないといけないからと二次会は無し。相変わらず多忙な人だ。

 一人になったが寝るには早いので、ビールと天丼で膨れた腹を収めるために松原と田の湯をハシゴ。宿に戻って改めて雄飛の露天に浸かって疲れを取って就寝。枕元には16巡目のスパポートが87湯になって置いてある。

 ぐっすり寝て爽快な目覚め。湯巡りの朝は快調で天気も上向き一月ぶりの天気に恵まれた週末だ。朝湯→朝食→食後の一服と雄飛での朝の一時。

 早めにチェックアウトして天満温泉にて16順目のスパポート88湯達成。気分良く野暮用の資料を受け取って、

 そのまま田の湯経由で大分市内に向かう。目的地は温泉道に新規加入した新川天然温泉SamaSamaという商業施設に併設されたスーパー銭湯みたいな施設。普段なら外観を見ただけで立寄らないのだが、大分市内の大深度地熱温泉エリアで開店が一番早い施設なので必然的に選択となった。

 受付を済ませて期待もせずに浴場へ来たのだが、モール泉と濃厚な塩化物泉の二種類の湯はなかなか良いじゃないか。これなら温泉好きでも充分楽しめるし一般受けも良いだろう。

 露天の隅には壺湯も有る。これは良い。

 王子温泉にも行きたかったが別府に戻ることにして10号線を北上していたら高崎山の向こうに青空が見え始めた。田ノ浦ビーチで一休み。


田ノ浦ビーチから高崎山と別府市街を望む

 北浜に戻って加賀旅館に寄ってみると本日繁忙の為温泉道の立ち寄り湯はしてない旨の張り紙が玄関に二枚張られている。前回着た時は週末なのに玄関は閉まり郵便物・新聞が溜まっていて休業のように見えたが繁盛してるなら結構なことだ。

 望海お世話になって鉄輪方面に移動。天心軒がトリ天ならぬブタ天を始めたとの未確認情報を検証するため(単に空腹?)立寄るが、それらしき案内は掲示されていなかったのでトリ天定食を美味しく頂く。

 昼食後はかんぽの宿・熱の湯・鉄輪すじ湯・地獄原温泉をハシゴしてから温泉道に復活した別府ホテル芙蓉倶楽部へ寄ってみる。

 温泉本に記載は無いが現時点では土曜日の立ち寄り湯の営業は休業しているとの事。残念では有るが休んでいるなら埒も無い。明礬に向かって鶴寿泉に浸かる。

 鶴寿泉の湯船に浸かりながら昨年の事件を思う。あの事件から「へびん湯・鍋山」には近づいていない。温泉道でもスタンプ対応は控えていると聞く。別府に来れなかった三ヶ月の間に容疑者は逮捕され一周忌も過ぎた。

 何故か気になって鍋山方面に向かって見ると事件後は通行止めになって設置されたゲートも開放されている。

 被害者には可哀想だが、私は女性が車中泊しての単独行には否定的な考えを持つ者だ。私も必要なときには平気で車中泊をするし山深い場所にも若い頃から分け入っている。そんな私自身も他者から見れば不審者で有ったかも知れないし、そんな場所では男でも身の危険を感じた事は少なからず有った。其の経験からも女性の車中泊、まして単独行には賛同できない。

 遺体発見現場近くの道路脇には供卓が置かれ今も花が手向けられている。この花がせめて警鐘になればと思いながら被害者の冥福を祈る。

 事件後は所有者の意向もあって立ち入り禁止になった鍋山の湯に警告を無視して立ち入る者が居ると聞く。良い野湯であることは確かだが立ち入り禁止の場所に入るのは言語道断。

 このような輩が絶えないのだから「自分の身は自分で守る」という事を胸に刻んで措かなければいけない。そんな当たり前の事を今更のように思い出している自分に気付く。

 なんだか気持ちが沈んでしまったので今回の別府行は早めに切り上げて帰路についた。

(17巡目の温泉道修行は9湯で初段に戻る)

fwd-net長崎・諫早

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