長崎でもFM補完中継局の運用が始まる |
FM補完中継局とは、AM放送局の放送区域において、親局または中継局の放送 区域内の災害対策や難聴(都市型難聴、外国波混信、地理的・地形的難聴)対策 のために整備されるFM方式による中継局のことだそうだが、ユーザーの私達からみればAMラジオのコンテンツがFMで聞けると言うことにほかならない。
従来からのFM放送は、76〜90MHzで割り当てられていて、この中に従来からのFM放送局とコミュニティFM局が運用している。ここには新たに割り当てをする余裕が無いので、地デジ化で空き家になったアナログ1〜3chが有った後の一である90〜95MHzに新たに割り当てられる。
長崎のNBCラジオは、92.6MHzで長崎市の稲佐山から平成27年10月1日から、91.8MHzで諫早市の五家原岳から平成27年12月1日から本放送の開始予定。勿論事前に試験放送が始まるだろう。
受信が出来るのは、FM+アナログ1〜3ch受信のワイドバンドFMラジオ(上の写真左)や87.5〜108MHzのワールドFMが受信できるレシーバー(上の写真右)などだ。
我家では諫早のコミュニティFM放送であるFM諫早(77.1MHz)を室内ホイップで聞いていた。この状態で受信可能なのは
局名 | 周波数 | 出力 | 受信状態 |
SINPO |
FMおおむら | 76.3MHz | 20W | ノイズ交じり | 25252 |
FM諫早 | 77.1MHz | 20W | 良好 | 45555 |
FMK熊本 | 77.4MHz | 1,000W | まあ良好 | 44454 |
FM長崎(諫早) | 78.9MHz | 30W | 良好 | 45555 |
FM長崎(長崎) | 79.5MHz | 1,000W | ノイズ交じり | 25252 |
FM長崎(佐世保) | 80.3MHz | 300W | まあ良好 | 34454 |
NHK-FM | 83.0MHz |
10W |
良好 | 45555 |
諫早以外のNHK局は省略。
この状態では既存のFM局より小出力となるFM補完中継局である長崎の稲佐山は厳しいだろうから稲佐山の試験放送が始まったら直ぐ聞けるようにFM専用に簡易アンテナを準備しよう。
アンテナの中心周波数はFM諫早の77.1MHzと稲佐山のFM補完中継局の92.6MHzの中間である、84.85MHzとして、λ=300/84.85だから波長は3.54m、これに1/2と係数の0.95を乗じて計算すると1.68mとなる。
ちなみにバンド全体で見れば1/2λダイポールの寸法は、上記の計算で下端の76MHzは1.88mであり、上端の95MHzは1.5mだ。 バンド幅が20MHzほど有るし中間周波数のダイポールアンテナを張るより、少しでも広帯域化を検討したほうが現実的だけど、さてどうする?
アンテナはエレメントを追加したマルチバンドダイポール風にして広帯域化を狙う。要はバンドの上端と下端のエレメントを同時給電しバランはバズーカマッチで中間周波数とする。手持ちに碍子類が無かったので、先日上げたエアーバンドアンテナに使ったHIVP13Aの残りをカットして使用。
一旦架設して、アナライザーで確認。エレメントを上の写真のように長短併せたアンテナなので、だらだらとしたピークの判りにくい、良く言えば広帯域になっているが、それでもSWRが一番低くなるのは96MHz辺りで、予定より多少高めに共振しているようだ。
エレメントは、ほぼ南北に展開しているので、西側になる長崎・稲佐山79.5MHzはSメーターで9+だ。これなら稲佐山のFM補完中継局の試験放送が始まっても大丈夫だろう。
局名 | 周波数 | 出力 | 受信状態 |
SINPO |
LOVE FM(福岡) | 76.1MHz |
1,000W |
良好 | 55555 |
FMおおむら | 76.3MHz | 20W | 混信・隣接障害 | 44454 |
FM諫早(レインボーエフエム) | 77.1MHz | 20W | 良好 | 55555 |
FMK熊本 | 77.4MHz | 1,000W | 良好 | 55555 |
FM長崎(諫早) | 78.9MHz | 30W | 良好 | 55555 |
FM長崎(長崎) | 79.5MHz | 1,000W | 良好 | 55555 |
FM鹿児島μ(阿久根) | 80.5MHz |
100W |
良好 | 45554 |
NHK-FM(諫早) | 83.0MHz |
10W |
良好 | 55555 |
FM福岡(大牟田) | 87.0MHz |
30W |
まあ良好 | 35554 |
諫早以外のNHK-FM及び信号評価の低い局は省略。
*閑話休題
防災ラジオということで、60MHz帯の同報系が受信できて、特定省電力トランシーバーもついたFMラジオ(FC-R119D)が売られているが、残念ながらFMラジオは76〜90MHzの受信帯域。2013/10/08の発売だから・・・・・残念。
だからという訳ではないが、カホパーツセンターのセールで上のELPA製の2バンドラジオER-C25Fを買ってきた。家内に見せると「ワイドFMを聴取可能なハンディトランシーバーが何台も有るのに」と言われてしまった。
■09/01/2015 NBC長崎FM放送(FM補完放送)が試験放送開始
試験電波発射のなかで行われる説明によれば、稲佐山から周波数92.6MHz出力100Wで送信されている。諫早の我家にあるSメーターの渋いFRG-965でS=5なら立派なものだ。
14:00に変調の掛かっていない搬送波を確認してイアホンをしてモニターしてたら、14:06から試験放送のアナウンスが始まった。もちろん受信レポートを送ったのは言うまでもない。
既存の民放FMであるFM長崎(JOHU-FM)が1kWでNHK(JOAG-FM)が500Wの出力。既存FM局の出力よりFM補完局中継局の出力は小さいと聞いていたが、NBC長崎FMは出力100Wだ。まぁ妥当なところだろう。
局名 | 周波数 | 出力 | 受信状態 |
SINPO |
NBC長崎FM | 92.6MHz |
100W |
良好 | 45554 |
上記から推測すると諫早の五家原岳はFM長崎が30W、NHK-FMが10Wだから、もしかすると10Wかも知れないが、公表されたサービスエリアから考えて30Wだと思いたい。
NBC長崎FM 送信所:長崎市稲佐町364−1(稲佐山) 出力100→250W→1kW
NBC諫早FM 送信所:諫早市白木峰町字大山1109-4(五家原岳) 出力30W?
電波形式は先行したMBC鹿児島FMと同じで、F8E(ステレオ)が免許され、これまた同じく新たなコールサインは付与されていないようだ。あくまで中継局ということだろう。
FT1Dは発熱対策のため09/08/2015からバックライトは消灯してます
09/09/2015 どうせ同じアナウンス、同じ音楽だろうと思いながらも選局したら、音楽が変わっていたしアナウンスを聞いていると出力が100→250WにQROしているそうだ。(稲佐山直下では前からフルスケールだから実感は無い)
試験放送の中で何処まで出力を上げる予定だろう?予備免許は1kWの免許だったと公表されている。
■NBCを除く九州各県に於けるFM補完中継局の状況(09/07/2015現在)
局名 | 周波数 | 出力 | 受信状態 |
SINPO |
MBC鹿児島FM(紫原) | 92.8MHz |
100W |
開局済み:自宅では受信不可 | ----- |
RKB福岡FM(九千部山) | 91.0MHz |
28年3月ごろ開局予定 | ||
KBC福岡FM(九千部山) | 90.2MHz |
28年3月ごろ開局予定 | ||
RKK熊本FM(金峰山) | 91.4MHz |
28年4月ごろ開局予定 | ||
MRT宮崎FM(鰐塚山) | 90.4MHz |
28年4月ごろ開局予定 | ||
MBCラジオでは阿久根・枕崎・鹿屋の各中継局を総務省補助事業として準備中。
RKBラジオでは北九州(91.5MHz)皿倉山・行橋(94.8MHz)大坂山・糸島(94.6MHz)可也山も福岡と同時に準備中。
KBCラジオではRKBと協力して同一場所で北九州(94.0MHz)・行橋(92.7MHz)・糸島(93.0MHz)も福岡と同時に準備中
■べりカード到着?
帰宅してみると、先日の受信報告に関するべリカードが届いたようだ。
本物のべリカードと入れ替えました
そう思って裏面を確認しても、NBC長崎FM局の周波数の記載が無い。。。。。。日付も。。。時間も。。
「本放送では無く試験放送となりますので今回の受信報告書ではNBC長崎FMの周波数が記載されている受信確認証をお送りすることが出来ません」とのこと。本放送が始まる10月1日に報告書を送る楽しみが出来ました。
思えば、小学生〜中学生にかけて自作の真空管式のラジオで受信報告を出してた頃から考えると半世紀振りに出した受信報告書だ。
■09/14/2015 朝の通勤時に車載のFT1Dで試験放送を聴いていたら「稲佐山から、周波数92.6MHz出力1kWで送信。。」とアナウンスされていた。いよいよフルパワーの試験が始まった。
もうすぐFM補完中継局も本放送になるから、防災用にはFT1D等で良いが、普段の生活の中、特に車で移動中もFM補完中継局の恩恵にあずかりたい。ekワゴンのCDレシーバーを乗せ換えよう。
■11/01/2015 今日から諫早の91.8MHzが試験放送開始。初日から本放送を同時中継している。素晴らしい!!
信号は流石に強い!
11/01/2015更新
09/14/2015更新
09/11/2015更新
09/07/2015更新
09/01/2015更新
08/20/2015更新
08/15/2015更新
08/14/2015更新
08/13/2015公開