FCC40ch CB機 LOVELY MATE40 |
FCC準拠の海外CB機も国内で人気のあるNASA72GX等はオークションでも程度の良いものは4〜5万円もするので、コンデション把握用のオモチャや改造して28MHz_AMで遊ぶにしても高すぎる。とても手が出ないなぁ・・・と思っていたら。
なんとなくヤフオクを見ていたら「28Mhz 改造用 CB無線機です。デジタル表示の一部点かない部分があります。送信受信動作確認済みですが、ノークレームノーリターンでご理解の上 入札お願いします」と出品されていて、聞いたこともない名称(メーカー?)のリグだからか安価でスタート。
1.5kでポチッとしていたら、何のことはない1.3kで落札。宅配便代金やなにかで、トータル2.1k程で手元にやってきた。出品者には気の毒だけど。
到着後、中身を見てみると、クリスタルが3個(10.240+10.695+36.190MHz)ある普通のPLLシンセサイザー方式のようだ。早速パワーメーターで送信を確認すると、無変調で4Wほど出ている。マイク端子を見ると、RXの接続がなく1)マイク、2)アース、3)未使用、4)PTTになっているようだ。(早とちりの間違いでした)
これならマイク側で小細工しなくても受信できるようなので、外部アンテナを繋いでみる。果たして今は少なくなったとはいえ違法CB4chの「管内〜窓口〜」なんてのが聞こえてくる。まぁOKだな。
説明にあったチャンネル表示不良は、チャンネルスイッチからの配線が不良だ。
向って右から4番目のピンは、もともとつながってなかったような気もする。一応全部半田鏝で押さえて表示部の修理は完了。
目視した限りでは半田や基盤パターンの切れハズレは無く、チャンネルスイッチへの配線部分だけだったと思われる。ざっと見る限りでは膨らみかけたケミコンも無いが、相性の悪いブルーのケミコンは無いようなので、ケミコン交換は今後の課題。
PLLシンセサイザーの型番はM58473Pだ。馴染みが無いなぁ。
マイクも用意してやらねば。。。。ダイナミックマイクが余ってたかなぁ。。。。。。
28MHzのAMで使うなら水晶も手配して。。。。。資料も探して。。。。。
コンディションモニターにするなら送信不可にしてしまわないと。。。。。 いろいろ思い描く間が楽しいのかも???
■それはさておき、28MHzのAMに改造するならクリスタルの手配が必要。FCCのチャンネルと周波数を主要な1〜16chを見ると下記の様に基本は10kHzステップだが、そのうち4ch毎に歯抜けの周波数がある。
特注のクリスタルが勿論ベストだが、とりあえず試してみるのに適当なクリスタルが有ればとローカルQSOで話していたら「手持ちが有る」そうだ。近いうちに持ってきてくれるとの話だからマイクの準備をしようと思って再度テスト。
1)マイク、2)アース、3)未使用、4)PTTと思い込んで結線したマイクを繋いでみたら、ハウリングを起こす。やっぱりFCC規格のCB機だ。
ダミーを繋いで送信テストをしたときは2-4ピン間をショートして送信してマイクラインには何も繋いでいない状態だったので気が付かなかった。ネットで検索してみるとJAPAN-80のマイクのデータがヒットした。
(JAPAN-80Uは結線が違うようです)
どうやら、このLOVELY_MATE_40も、この結線に該当するようで受信時にはマイクラインを開放する仕様。手持ちの無線用ダイナミックマイクにはPTTが2回路有るものは無いと思う。
本体内部の回路を変更して対応すれば簡単だが、できればオリジナルを残したい。クリスタルを待つ間、PTTに2回路の接点を持つマイクを探して見よう。結線は違うがNASAなんかのマイクならR用のスイッチが要るので、2回路のものは普通に有ると思うが?
またヤフオクかな?と思いながら考えていて、ふとっ思い出した。FM-10に付属のマイクが有った様な?
有った。開けてみると予想通り接点は2回路ある。これを結線替えして使おう。ちなみにJAPAN-80Uに付属のマイクも回路的には使ってないが、マイクのスイッチ自体は2回路の物が入っていた。輸出用のCB機との共通部品なんだろうと思う。
■ローカルのお陰でテスト用の37.500MHz(HC49US)のクリスタルが到着。36.190MHzのクリスタルと入れ替える。規格がHC25Uではない小さなHC49USなので足を細工して取り付けたのは言うまでもない。
PLL関係のコアは下の写真のA・Bだが、28.305MHzを受信しながら粗調整をして、送信側がちゃんとロックするように追い込む。
クリスタルが汎用の37.500MHzだから、28.305MHzが3chと4chの間の歯抜けに入ってしまったが、もともと付いていたのが36.190MHzだから仕方が無い。まぁPLL周辺の調整をしただけの時点で2W弱出ているから、この段階では良しとしよう。
このままで、送受信の調整をちゃんとしたとしても、運用範囲はAMの下のほう28.215〜265までは範囲外になって下記の様な範囲となる。
FCC_ch | FCC周波数表記 | 改造後周波数 | 備 考 |
1 | 26.965 | 28.275 | |
2 | 26.975 | 28.285 | |
3 | 26.985 | 28.295 | |
歯抜け |
28.305 | AM暫定呼出周波数 | |
4 | 27.005 | 28.315 | |
5 | 27.015 | 28.225 | |
6 | 27.025 | 28.335 | |
7 | 27.035 | 28.345 | |
歯抜け |
28.355 |
QRP優先周波数 |
|
8 |
27.055 |
28.365 |
この範囲でも構わないが、肝心な周波数が歯抜けの中に入ってしまっては実用にならないなぁ。。。。クリスタルを特注するしかないなぁ・・・・1.3kでポチッたCB機に1.5kのクリスタルを奢ってやろう。
(連絡先はOTKのホームページで調べました。上の画像はリンクバナー?)
そんな訳で、アズマ無線工業に電話を入れる。「CB機の改造用です。PLLループ用です。37.500MNHzの市販のクリスタルで動作チェックして周波数の確認をしました。37.440MHzのHC25/Uでお願いします」と電話口で依頼。
ちょうど一週間で到着した。
さっそく交換して、再調整を行う。先ずは交換したクリスタルのLOOP_OSCの発信周波数の確認。OK。
PLLの出力周波数の確認。1chが38.910MHzで、40chが39.350MHzは計算通りでOKだ。
1〜40chは歯抜けは有るものの28.215〜28.655MHzとなった。
FCC_ch | FCC周波数表記 | テスト周波数 | 改造後周波数 | 備 考 |
36.190 |
37.500 |
37.440 | ループクリスタル | |
1 | 26.965 | 28.275 | 28.215 | |
2 | 26.975 | 28.285 | 28.225 | |
3 | 26.985 | 28.295 | 28.235 | |
28.305 | ||||
4 | 27.005 | 28.315 | 28.255 | |
5 | 27.015 | 28.225 | 28.265 | |
6 | 27.025 | 28.335 | 28.275 | |
7 | 27.035 | 28.345 | 28.285 | |
28.355 | ||||
8 |
27.055 |
28.305 | ||
9 | 27.065 | 28.315 | ||
10 | 27.075 | 28.325 | ||
11 | 27.085 | 28.335 | ||
12 | 27.105 | 28.355 | 〜28.655MHz |
肝心な28.305MHzの周波数をダミーを付けて確認。8chで38.305丁度。コイル周りの調整も行って出力は4.5W出ている。
このリグは基板にTPも立てられているので、なかなか良い基板だと思う。測定・調整をしながらメモした内容でブロックダイアグラムを描いてみた。PLLのIC周りは実測値から記載。
これが我家の無線局の第13送信機だ。
★☆★LOVELY_MATE_40の家系調査★☆★
LOVELY_MATE_40の素性を辿るとしよう。ネットで検索してみると、もともとPACE8035というFCC輸出向け無線機に行き当たる。
たしかに下の写真のように見比べてみると、全く同じもののように見える。
SILK(日本特殊無線)のJAPAN-80は、このPACE8035から1985年に派生したものだという未確認情報もネットで見かけた。パネルを見る限り信憑性は高そうだ。
並べてみると間違いなく親戚達だ
ヤフオクで補修パーツ用にと40chを表示しているLOVELY_MATE40を追加で入手した。送られた梱包をあけると同梱されて来たマイクにはPACEとロゴが入っている。
若しかしてと思ってリグ本体に貼られた銘板を確認すると、今回入手したリグには「PACE 8035」と記載されている。改造したリグには銘板が無かったので今まで気が付かなかったのだ。名前は違っても中身はPACE8035なんだと判明。
同梱されていたPACEの純正マイクは、残念ながらマイクエレメントのボイスコイルが断線していた。同じ規格のエレメントが見付かるまでジャンク箱の住人になってもらおう。このまま捨てるにはPACEのロゴがもったいない。
宮城県 28MHz AM&SSB&FM JR7EQWの資料が参考になりました。感謝。