北九州市小倉南区の春吉の眼鏡橋を訪ねて

 幼い頃に遊んだ紫川。その上流に架かる春吉の眼鏡橋を訪ねてみた。北九州市で唯一の二連石造アーチ橋との事だ。(10/11/2003)

春吉の眼鏡橋全景

 北九州市の史跡指定案内によれば、大正8(1919)年架橋で、長さ20.5m・幅3.6mである。石材には紫川の川石輝緑擬凝灰岩等が使用されている。

 この橋が出来るまでは、岩の上に板切れを渡しただけの簡単な板橋を渡っていたが、大正6年、子守の女の子が転落死したことから、地元に恒久的な橋の建設気運が高まった。建設費は悲劇を繰り返さないようにと願う春吉の人々が寄付金を出し合ったが、第一次世界大戦後のインフレによる物価高騰のため苦労したという。

 橋のたもとの石碑には、春吉58人の寄付者や寄付金額、石工の名などが刻まれている。石工は春吉に隣接する道原の中山熊次郎と佐島榮治である。

 春吉の眼鏡橋は市内唯一の石造二連アーチ橋として貴重であり、かつての農村における庶民生活の一端を知ることのできる文化遺産である。

北九州市教育委員会の案内看板より

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