長崎街道ひなまつり史跡めぐりウォーキング

 街道ひなまつりのイベントとして、同実行委員会の主催の「史跡めぐり」を楽しんで来ました。隣町とはいえ、大村に関しては全く無知だから、今日のイベントはありがたい。(03/31/2002)


(大村公園での集合写真)

 大村市では、「お雛祭り」を旧暦で祝うので、これからが「お雛祭り」の本番に入るそうだ。そう言えば今日のコースにある、旧楠本正隆屋敷も3月29日〜4月7日が、ひな祭り期間。

 史跡巡りの案内をしてくださる、大村市文化振興課の今村さん(左側)と、今日のイベントの主催者、長崎街道大村宿ひなまつり実行委員長の安永容子さん。安永さんからは、「暖かいココアや抹茶を準備してますから、事故の無いように」と見送っていただいた。(09:00定時出発)

【本陣跡〜鶴亀橋〜久松使者屋】

 アーケード内の本陣跡で、ロンドンタイムスの所蔵画の複製の前で、往時の街道の様子などの話を聞いて、鶴亀橋に出た。

 この鶴亀橋までが、旧藩時代の商業地域で、橋を越えると武家階級のエリアであったとのことだが、大火のあと、一部商家が入ってきたという。橋を渡って、大正浪漫漂う旧商家を見ながら、久松の使者屋の厳しい門構えの先から、左折JR大村線を潜る。

【草場小路】

 JR大村線手前からが、大村城下の五小路の草場小路という。ここでの目玉は、昔の旅人が「五色に光る塀」と呼んだ、煉塀(海石五色塀)だろう。しっかりと加工された石垣の上に、色合いを考えた海石が配され、漆喰の白に映えて美しい。

 案内役の今村さんの声を後ろに聴きながら、大村在住の人たちが、「初めて見たねぇ」と話していた。案外地元の人間が名所を知らないのは、いずこも同じ。

【円融寺(護国神社)〜春日神社】

 草場小路の外れにある、旧円融寺。円融寺はもと天台宗の寺院で、大村藩四代藩主大村純長公が、将軍家光の死に際して建立。以降、大村家が徳川家を祀る寺として崇敬されてきたが、明治初年の神仏分離令と徳川家を祀る寺で有ったことから、神宮寺としての円融寺は、急遽廃寺となり、護国神社となった。なお、本寺庭園は、山の斜面に約400個の石を配した石庭。その石組みは三尊方式と言われる特異なもので、国指定名勝になっている。

 ここは、見るべきものが多い。境内の一角には三十七基の碑がたつ。大村藩の中で幕末期に活躍した大村藩勤王三十七士が、没年順に並べられている。名前や経歴を見ると、中央で活躍した名前が多く見られる。倒幕三藩の蔭になって目立たないが、旧大村藩からは、多くの人材が世に出ていることがわかる。

 春日神社に回り、参道から一直線に延びる、旧長崎(大村)街道を見てから、上小路に抜ける。

【旧楠本正隆屋敷】

 上小路公園の大村サクラを眺めて、旧楠本正隆屋敷に向かう。ここは入場料が大人100円必要。主催者にご負担いただいた。感謝。

 楠本正隆公は天保9(1838)年の生まれ。大村三十七士の一人として討幕に奔走、維新後は衆議院議長などを歴任、男爵に叙せられた。この屋敷は、大村を代表する武家屋敷。

 ちょうど屋敷もひな祭り期間で、大村家の雛人形や男爵家の姫君の豆雛飾り等が展示されてあり、目を楽しませてくれた。なんでも来週の4/6・7は、邸内で呈茶(有料、200円)も催されるそうだ。来週はイベントが重なっててこれない。残念。

 残念といえば、屋敷の奥にある駐車場に、大きな石板が二枚ある。翁を顕彰して、東京都が港区に建立していた、顕彰碑というが、本来は高さが6m以上あったのだが、残念ながら二つに割れてしまっている。東京都から大村市が貰いうけ、この地に建立したもの。

【上小路〜五教館御成門】

 現存する武家屋敷通りとして、一番長い上小路の坂を下ってくる。坂の下のほうまで来ると、なるほど石垣だけでなく、側溝や犬走りも往時の姿を残している。坂を下りきって、旧国道34号線を左折、本小路に向かう。この本小路が大手門に向かうメインストリート。この路沿いに、旧大村藩の藩校五教館の通称「黒門」と呼ばれる「御成門」にでる。

 御成門は、藩主だけが通った門だと言うが、現在は大村小学校の生徒が、入学式、卒業式の日にだけ通過を許すそうだ。ただ文化財として保護するだけでなく、子供達の門出に使うことで、子供達にも郷土の歴史に対する関心や誇りも生まれるかもしれない。

 この前の道が、本小路とは既に述べたが、この広い路は拡張されたものではなく、もともと現在の広さがあり、大手門に真っ直ぐ向かっていたと言う。

【大村城址〜皇大神宮】

 五万石未満の小藩ゆえに天守閣を持たない大村城址だが、居館会所があった本丸には、大村神社や稲荷社が鎮座し、堀には花菖蒲、公園エリアに大村サクラをはじめ、多くのサクラを配し、現在は史跡であることに留まらず、観光資源として大活躍している。

  大手門前で、城址の説明を受けて登城する。ほら貝の様に鳴る「ほら石」で楽しんで、サクラを楽しんで、「このまま花見もいいねぇ」などと良いつつ、先ほど通らなかった、上小路の残りを通り、旧国道から、鶴亀橋を越えて、皇大神宮さんに到着。

 神社の由来と、この境内の周りの石垣の外は全て海であったと解説を受ける。今の国道34号線は、海の中だ。

 皇大神宮では、例大祭に人形供養もされるそうだ。詳しくは下記に記す。

<メモ>

*『人形供養』――――――――――――――――――*
 処分したいけど、なんとなくできずに持っていたお人形。
 どんな人形でもかまいません。3月28日〜4月9日までに
 本町1丁目の皇大神宮の人形箱へお入れ下さい。
 開催日:4月10日(水)
 時 間:午前11時

【獅子舞〜本町広場】

 皇大神宮を後にして、アーケードに戻ると、大村獅子舞保存会による、獅子舞いが行われるところ。なかなか良い演出。

 ふるまいの甘酒を頂きながら、獅子舞を楽しむ。獅子は熱演で、耳を落としてしまうハプニングもあったが、なかなか勇壮で楽しい。

 「おかえりなさい」、安永さんの声と、ココアの香り。ゆっくり抹茶まで頂いて、気持ちよく疲れた足で家路についた。皆さんにはこのイベントは好評で、来年も是非やって欲しいとの声も出ていた。

 来年も楽しみにしています。

お世話様でした。そして、ありがとうございました。

<メモ>

*『長崎街道ひなまつり史跡めぐりウォーキング』――――*
 開催日:3月31日(日)
 集合場所:まちかど研究室(午前8時30分)
 時 間:午前9時スタート(コースタイム約3時間)
 参加料:無料
 申込締切:3月20日(水)
 申込先:ひなまつり実行委員会
     川原健二さん(呉服の伊東屋) TEL0957-52-3448
     ※火曜日定休日
<お問い合わせ>
長崎街道大村宿ひなまつり実行委員長
安永 容子さん TEL0957-53-2175

 

fwd-net長崎・諫早へのリンク

inserted by FC2 system