小串神社(新魚目町)

 津和崎の灯台に向かって行くと、立串の集落に降りれる。その途中から小串に分かれて、新魚目漁協本所にでる。神社は、その向かいにある。(02/06/2002)

 神社の裏手で話し声がしたので、ちょっとのぞいてみると、氏子の方が、樹木の手入れをしていた。境内もきれいに刷かれていて、この神社も気持ちがいい。

祭神:菅原道真公、事代主命(推定)

 明治43年建立の鳥居は、前が狭くて、ちょっと辛そうに見える。注連縄は、藁ではなくて、船の舫のロープが使われている。

 さすがは、漁業の町の鎮守様だ。

 拝殿の庇下の彫り物。この龍が素晴らしい。ここの注連縄もロープを加工したもの。
 琴(今の部分は略字)代主大神の神名が刻まれた、石祠が境内に祀られている。

 庇の部分の神紋が、事代主の紋であったので、文字が判読できた次第である。

 小串という地名は多い、漁港の脇の郵便局の名前は「五島列島小串簡易郵便局」とある。五島勤務時代に、何度か、「五島列島福江市」だけの住所と、私の名前だけで、郵便物が届いていたのを思い出す。

【的射り神事】

 小串神社では、1月16日に伝統行事である「的射り」が行われます。射手は厄年にあたる人と、その家族の子供たちで、まず食事の風習から始まります。

 射手の子供たちはまず、腹ごしらえをします。ご飯の中に味噌を入れ、これにお茶を注いで食べるだけで他のおかずには手をつけず急いで食事を済ませます。武士が慌しく戦場に駆けつけた故事に習ったものです。その後、神事が行われ、いよいよ悪霊に見立てた大的と小的に向かって大漁祈願、海上安全、家内安全などを祈願して矢を放ちます。

 集まった人達が交代して381本の矢を2時間あまりかけて射続けます。これは1年の日数365(うるう年は366)に月の数12を足し、さらに東西南北の4隅を加えた数です。的入りに使った矢を持ち帰り、家に飾っておくと魔よけや病気にならないといわれており、持ち帰る人の姿もあります。

 この的射りの行事は俗に「百手(ももて)祭り」という呼び方で全国各地に伝わっていますが、出陣前の食事の風習から始まるのは貴重なものだといわれています。

新魚目町HPから転載

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