鄭(チョン)ちゃんの苦悩(ソウルツアー記)

 奥さんと二人で、阪急交通社さんの格安ツアー「ソウルの休日三日間」に行ってきました。現地代理店フォーカスツアーズのガイド、チョンちゃんの苦悩を中心にレポートします。(04/10/2004更新)

頑張るが苦悩の鄭ちゃん

 ツアー日程は3/27〜29/2004の二泊三日。長崎空港発着で19,800円也です。今回のツアーはガイドの自称チョンちゃんにとって苦悩のガイド業に成ったようです。事の始めは仁川空港での男性3名が行方不明からです。我々が到着ゲートを出てから30分経っても3名が来ません。

 たまたま喫煙をする為に、建物を出てみると50年配の男性二人(仮称:変な親父達)がタバコを吸っている。バッチを胸に着けていたので「長崎からの阪急のお客さん?」と聞くと、そうだという。なんでも「阪急さん、こちらにどうぞ案内します」と変なのに声を掛けられて、のこのこついていったが、どうも変なので戻ってきたところだという。同行のケバイおばさんに怒られながら到着確認。迷惑な話だ。ポン引きにでも捉ったのかな?

 あと一人が見つからない、チョンちゃんは空港を駆けずり回って阪急、大韓航空に確認。空港のアナウンスも三度依頼してみたが確かに到着しているのだが見つからない。一時間を経過してしまったので、最大限の手配をして心配しながらも出発。

 途中で携帯が鳴った。なんでもゲートを出てトイレに入った後、他の人が見つからないので、一人でホテルに向かったが、どうにも迷ってしまい金浦空港近くの薬局に保護されているとの事。なんとかバスで薬局に向かいピックアップ。(仮称:飛んでる爺さん)夕食のプルコギを食べに龍山の新羅カルビに向かう。

写真は今回の写真じゃないよ。

 到着確認のごたごたと新羅カルビでエステを申し込んだお客さんの遅延で更に時間をロスした為、東ソウルホテルに着いたのは午後10時を回っていた。夜遊びを計画していた夫婦は仕方なくコンビニでお酒を買って就寝。先が思いやられる。

 翌日は早朝07:30から出発して、「韓国風田舎御膳」なる物を頂きに行く。青紗草籠(チョンサチョロン)だ。昨日の夕食といい今朝の朝食といい全く格安ツアーの定番の店。朝食は普段食べるペッパンより寂しい。この後はお決まりの免税店、偽物もある民芸店を回って、骨董の町仁寺洞で自由散策。この自由散策の間、チョンちゃんは問題の変な親父達飛んでる爺さんを捕獲したまま伝統茶の店に連れ込んで無事に出発。それもそのはず、免税店ではチョンちゃんの監視を逃れて、飛んでる爺さんが再度行方不明になっていたのだから当然の措置。

食後の日向ぼっこ、朝食後ロッテの免税店を出て仁寺洞でショッピング

 さて問題の南大門市場だ。ここでハグレたら再発見は困難。チョンちゃんは一計をめぐらせて、自由散策にもかかわらず、面倒見のいい世話焼き夫婦(仮称)と変な親父達飛んでる爺さんの合計五人を一纏めにして、午後のオプショナルツアーの係員に引き渡して一安心したそうだ。そのころ私達夫婦は南大門に入ったところでツアーから離脱する旨を告げていたので、さっさと眼鏡を造りに行った。二人分の眼鏡を頼んで市場の中の小さなお店で、好物のチョッパルで昼食。明洞で噂の32センチアイスクリームの行列を見物してから地下鉄駅に向かう。両手で足りないほどソウルに通った夫婦は、なぜかロッテワールドに行ったことがない。大枚6,000円也のオプショナルツアーで行くことも無いので自分達で行く。地下鉄代700ウォン+入場料25,000ウォンで事足りる。この間、変な親父達はオプショナルツアーの中で再び行方不明に・・・・

 ロッテワールドは日曜日とあって、どの乗り物も行列が長い。つまみ食いをしながら楽しんでいたらタバコが吸いたくなった。屋内施設のロッテワールドアドベンチャーは喫煙場所が少ない。案内係に尋ねて一服していたら、チョンちゃん達のオプショナルツアーの面々と出会う。「世間は狭いねぇ」と達者な日本語で話しかけるチョンちゃん。「ここに来るなら10,000ウォンでチケット手配したのに」とおっしゃる。しかし小心者の夫婦はオプショナルツアーに参加しないでチケットだけ手配を頼むのは気が引ける。

 この、チョンちゃんは全員に自分の携帯の番号を教えて、ツアー客が自由時間に訪れた場所で問題があると電話で対応してくれる。チョンちゃんの話では昨夜は午前2時まで電話対応したそうだ。

ロッテワールド美人のキャンペーンガール

 ロッテデパートの食品売り場で、伝統茶の柚子茶等の大きなビンを6つ買い込んで(柚子茶は400円、安い!)地下鉄で三つ目の東ソウルホテルに一旦戻る。重い荷物を持っていては動き回れない。ホテルに戻るとツアー客が夕食をどうするかでウロウロしているグループと出会った。同行して欲しそうな様子が見えたが、せっかく夫婦で来ているのにと思いながら一旦部屋に戻ると、その間にチョンちゃんが電話対応して夕食の面倒も着てくれていた。感謝!

 おかげでホテルの近くのお店で、ゆっくりと美味しいサンナクチ(活きタコ)チョルパン(鉄板鍋)を頂くことが出来ました。チョンちゃんのおかげです。なにぶん翌日は05:30出発との事で夜遊びもせずにコンビニ酒で済ませて就寝なんですから、のんびりと夕食を楽しみたかったのです。

 翌朝は、お決まりのキムチ工場と称する土産物屋に寄って空港まで、何事も無く出発できるかと思ったら、さっそく「Mさま、見ませんか?」とチョンちゃんの声が響く。チョンちゃんが走り回っていると、反対側から飛んでる爺さん登場。チョンちゃんが並んでる搭乗客に頭を下げながら、飛んでる爺さんを私達夫婦の前に割り込ませ「見ててください。お願いします」とのこと。えらく慌てているかと思ったら、世話焼き夫婦がチケットを無くしてしまっていたとの事。何度もチケットは一人二枚ですよと繰り返して注意したのにと半泣きのチョンちゃん。

 飛んでる爺さんを監視しながら手荷物検査を済ませ、パスポートコントロールを通過する前、突然飛んでる爺さんが列を離れようとする。とっさに捕まえて聞くと「この20番はなんだろう」と言い出す。これは飛行機の搭乗口の番号ですよと説明して落ち着かせると、「へぇ指定席なんだ」とチケットを見て言い出す。こんなのをよくもまぁ一人で出発させたもんだ。

 さて飛行機に乗り込んで待っていると、いつまで経ってもギャングウエイが外れない。いい加減待ちくたびれた頃に平気な顔で世話焼き夫婦が乗ってきた。チョンちゃんの努力で発券が出来たようだ。

 チョンちゃんの話では、阪急さんのお客さんの世話をする現地ガイドは200名程居るそうだが、こんなのばかりがやってきたら「朝鮮人参+キムチ」パワーのチョンちゃんも大変だ。

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