十王供養板石

 小野本村の金毘羅山へ登る旧道脇の六地蔵に珍しい供養塔がある。小さなものなので見落としがちだが、小野の六地蔵を訪ねたときには見て欲しい。

 この路は、山手に向かって、右手が小野城址(高城)で、左手は性円寺跡。この間の道は性空寺跡と呼ばれる。この路傍には三十有余小型宝筐(ほうきょう)印塔が集められ六地蔵やこの十王供養板石が祀られている。(六地蔵の山手側)

 十王供養板石は、人間が死後極楽浄土へ行こうとする念願信仰によって造られたものである。即ち穢れの多いものは、冥土での裁判官、閻魔大王達によって、その罪量を判定されて、地獄へ落とされるのだということを、はっきり知らせるための彫刻石である。

 刻まれた絵柄を見ると、右側が下がった絵柄が見える。

<メモ:十王とは?>

 冥土で亡者を裁くという泰広王、初江王、床帝王、伍官王、間魔王、変成王、泰山府君、平等王、都市王、五道転輪王のことをいう。

 亡者は初七日の泰広王から始まって27日、37日、47日、57日、67日、百日、1周年、3周年と、生前娑婆で行った罪の裁きを各王から受けることによって、地獄に落とされるか、軽重によって来世の生所が決まるという。

 生前十分に十王供養をすることによって裁きを軽くしてもらえるとか。

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