竹崎街道(湯江汲水の追分〜竹崎宿)

 竹崎街道をご存知でですか?諫早街道の難所である多良道を避けて、湯江汲水の追分さんから竹崎宿に向かう脇街道です。竹崎道とも呼ばれていました。(04/21/2008)

宇良の追分さん

 前回、多良越えをしたので、今回は右手、竹崎道に進みます。丘陵地に着いたら此処から小坂と呼ばれる自然道です。この登り掛けに板石を掛けただけの小桁(こゆき)橋が有ったそうですが、水はけ用の溝で壊されたのか見当たりません。小坂は途中までは水に浸食されてガレ道に成っている所も有りますが、上に行くほど石を切った感じで、なかなか良い状態です。

小坂入り口 小坂

 大久保に至る新しい道を越えて、先ほどと違って車も通れそうな坂を更に上ります。また、大久保に至る道に出たところに、竹崎街道の道標が立っていました。街道を歩く間、この形の道標は、此処だけだったように思います。

小坂から上る この手の道案内は此処だけだった

 さらに気持ちのいい道を進み、舗装路に出ると、左上に竹崎街道の案内看板が見える。この案内看板には、この後も何度かで合います。看板に沿って行くと、左手に石仏が並んでいます。よく見ると奥の六体が、各々六道を示す一般的な六地蔵で、手前には風化していますが佐賀型の六地蔵祀られています。

竹崎街道の案内看板 六地蔵

 さらに東に下ると、開けた集落の辻の左手に大久保の馬頭観音(市杵島神社)が見えています。参拝の後は、また集落の中を進みます。

 集落を過ぎて下り始めると、長里川と小長井カントリークラブの山が見えてきました。長里川を越えるために長里の氏神、阿蘇神社の麓の清和保育園の前を通過して川向こうを左折する。

遠くに清和保育園が見える

 左折して少し長里川の上流に向かうと右手に竹崎街道の道標がある。この道標から雰囲気のある道を登る。国道207号から小長井カントリークラブに入る道に合流する。

竹崎街道の道標 舗装はあるが街道の雰囲気がいい

 ゴルフ場の脇を上っていくと、左手に建物が見える。向かい側は広い駐車場。この建物は小長井カントリークラブが9ホール(現在は変則の19ホール)時代に使っていたクラブハウス。

旧クラブハウス

 さらに進んで、現在のクラブハウスに向かう道を突っ切っていくと、また竹崎街道の案内看板が見える。緑の道標の向こうに見えているのが牧名の氏神、実盛神社。神社の左手にも良い感じの道が上っているが、街道は突き当たりの、お宅の右手を上る。

竹崎街道の案内看板 正面のお宅の右手を進む

 コンクリート舗装の道を登っていくと、開けたところに出て左上に一本松さんが見えてくる。県道に出て一本松さんを目指していると、右手に竹崎街道の道標が見える。

 一本松さんの御神体は田原大権現と弁財天が祀られていた。参拝を済ませて先ほど確認した脇道に入る。すぐに私有地に付き立入り禁止と看板があったが、本来の街道は、その右手にあったので進む。

写真中央が一本松さん 中央の道標が見えますか?

 うっそうとした道を進むと、二股に分かれている。右手に行けば県道に戻ってしまうし、左手は開発地に出て進めない。しばらく考えて無理に此処を突っ切って藪コギしたら道があった。

 私は無理に行ったが、お薦めはしない。右手に進んで広域農道に出て、船津川の手前で上がるか、更に進んで広域農道の船津大橋を渡って左折することを推奨。地図で検討してみてください。

道は二股だが・・・・

 船津川に向かって降りてくると、この合流地点に出る。竹崎街道の道標が有った。一息ついたら左、上流側に向かう。本来なら途中に道が有る筈だが、藪で道を見落とした。仕方が無いので、もう少し上がって黒木橋を渡る。

ほっと一息 中央に見える黒木橋

 川から離れると、分かれ道に出るので右手、川下に向かう。井崎に向かって道が合流する100m程手前で左に入る。もし、行き過ぎたら合流点から広い道を上がっても、同じ長々の道祖神の辻に出る。

 道祖神の辻から北西の上の方に遠竹に向かう分かれ道がある。右折して道なりに進む。途中分岐点があるが、道標が有るから迷わずに済んだ。柳南の弘法様に出る。ここは道が入り組んだところだ。ここでもまた竹崎街道の案内板が立っていた。

長々の道祖神 柳南の弘法様

 此処から遠竹本村に向かうのだが、概ね北に向かえば、どの道をとっても行けるが、本来の街道は弘法様に向かって右側に進む。道標から左に入って茶畑に出て、その先を左手に降りるが、マピオンの地図の予定道路が既に出来ているので、それを横断して道祖神の前を橋に向かう。

柳南の弘法様の裏手から 道祖神

 橋の向こうの集落は、佐賀県藤津郡太良町今里。橋から見て左前方の浅間神社に向かう。鳥居の前まで来ると、ちょっと行きすぎだが、参拝して神社から時計回りに津ノ浦に向かう。

橋の向こうは遠竹本村 浅間神社

 津ノ浦の集落では、左手の阿弥陀堂の前に端正な六地蔵さんが迎えてくれた。この後は道なりに国道207号まで出て、太良方向に少し行って、正伝院の方に向かう。

津ノ浦の六地蔵 正殿院が見えた

 竹崎島に渡る手前は道越の浅間神社に参拝。ここから竹崎観音までは迷いようが無い。終点の竹崎観音に到着しました。

竹崎観音寺

諫早神社から神仏分離令の際に什器が移されたことや行基菩薩の七観音の話で有名な古刹

【メモ】

 現在の長崎市の矢上から、藤津郡太良町の多良宿までが諫早藩の領地でした。もっとも多くの村を佐賀本藩の蔵入地とされ、深江のように深堀鍋島の飛び地もありましたので全てとは言えませんね。

 この街道を多良街道とも呼びますが、私は街道全体を諫早街道と呼んでいます。小田宿〜多良宿までは多良街道でも異論はありませんけどね。

 そして、諫早街道の脇街道が竹崎街道。ここは殿様道というより一般の旅人や領民が使っていた街道だとも言われています。

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