ようこそ至福の秋。福島市モニターツアー(三日目)

 初日二日目と私たち夫婦が見て感じた福島市のレポートもこれが最終日。過ぎてしまえばあっと言う間の二泊三日の福島市モニターツアー。もう少しユックリしたかったなぁ。。(10/29-31/2011)


(140年間姿を変えずにいる玉子湯)

 朝湯を楽しんで向かいの遊歩道も歩いてみよう。よく整備された遊歩道の途中にある温泉神社に参拝して朝食前に空腹感が強く出てきた。福島に来てから美味しいものばかりで食べ過ぎの二日間だったからなぁ。少しでも身体を動かさなくては。

 そう言いながら朝食の膳に着くと、御飯を御代わりしてしまうのだからなんとも。。。。

裏山から旅館玉の湯を見る 玉子湯の朝食

■磐梯吾妻スカイラインを走る

 スカイラインの紅葉は素晴らしいが残念ながら時期を過ぎているとガイドさんの説明にガッカリして期待をしてなかったが、やはり上っていくにつれて紅葉は落葉に変わっていた。

 それでも時々姿を現すナナカマドの赤い実や長崎では見ることのないカラマツの黄色い葉色等も車窓から楽しめて趣がある。

 更に上がれば此処が活火山であることを思い出させる硫黄の谷等も姿を現すので飽きる事がない。

 途中のビジターセンターや天文台・売店のある浄土平まで来ると、皆さん買い物に余念がない。家内も勿論買い込んでいる。

 売店を出て改めてビジターセンターの先を見ると一切経山の噴煙が目の前。バスで下っていけば会津磐梯山が遠くに見える。このスカイラインも11月半ばには通行止めになって来春の雪の回廊まで一般の車輌は入れなくなるそうだ。もう東北南端の福島は晩秋なんだ。

 車窓を楽しんでいるうちにバスは土湯温泉に入ってくる。ここも閑古鳥が啼いて閉鎖された宿が目に付く。到着したのは山水荘。ここでバスを乗り換えて土湯温泉の源泉探訪ツアーだ。

土湯温泉源泉探訪ツアーに向かう

 土湯の温泉街から細い道を奥に進むと2kmほどで源泉エリアに到着。ここは普段は立ち入り禁止区域だが探訪ツアーとして公開されている。

 土湯温泉には独自の源泉を持つ宿もあるが多くは此処で噴気と湧水・温泉水で造湯された温泉を利用している。造湯と云うとなんだか人工温泉のように感じる人も居るようだが、これも天然温泉の利用形態のひとつ。

 複数ある噴気孔というか温泉井を一番奥まで観光協会の方の案内を受けながら見学するのは温泉好きの身としては楽しい時間だ。

 そして下ってきて源泉直下の足湯に浸かって出来上がったばかりの温泉玉子を頂く。源泉タンクからの給湯温度が60度なので温泉玉子を作るには具合が良い。割ってみると中身がくっつく事も無く行儀は悪いが一飲みできる。

向こうを向いている人は立○○をしているのでは有りません

 参加者の中で温泉玉子が大好きな人は予備の玉子も頂いて、なんと6個も平らげたのには驚いた。しばらく足湯を楽しんで再びバスで山水荘さんに戻って昼食。

 準備されていたのは栗の入った山菜釜飯。旨そうな良い匂いがたまらない。私は直ぐに食べようと思ったのだが、落ち着いた参加者の一人が「御飯茶碗が足りません」と仲居さんに小声で伝えている。

 なるほど左手前は汁物の取り皿で茶碗ではなかった。すぐに御飯茶碗が届いて「頂きます」となった。旨い。

向こうを向いている人は立○○をしているのでは有りません

 食後の散歩がてらに宿の庭を拝見していると青い見慣れた花を家内が指差す。九重の峠で晩秋に見かけるトリカブトだ。植え込みの中に咲いているのは始めて見た。

 さて、今度の福島市モニターツアーも現地プログラムは完了。後は羽田まで送る届けて頂いて福岡空港に向かうばかりとなった。

 写真左手から、お世話になった安全運転の加藤さん。名ガイドで歌の上手い和子さん。そしてJTBの松尾さん。松尾さんは福岡空港まで一緒だ。

 もう一人、現地で休日にも関わらず裏方に徹していた福島市商工観光部観光課の佐藤課長補佐は山水荘で最後の仕事中で写真が撮れなかったのが残念。

■思ったこと感じたことを少しだけ

 未曾有の大震災・大津波の被害を受けた東北各地の様子はテレビ等のマスコミを通じての情報しか目にして居なかったが、福島市で目にした震災被害は私自身が経験した雲仙普賢岳の噴火災害と大差なく自然がもたらした災害からは着実に復興しているのがわかる。

吉川屋裏手の崖崩れ 胸瓦が落ちた家屋

 しかし国や電力業界、原子力行政に関連する利権の構造という人災とも言える原発事故の影響は地震・風水害と同居している我々も経験が無い。まして被爆国であるからこその核アレルギーが強い風評被害をもたらしている事は事実だ。

 長年の努力の積み重ねがあり集客力のある温泉宿は見た目には賑わっているようだが震災前の状況と比べると大きく落ち込んでいるそうだ。私が目にした限りではその他の宿や観光施設は閑古鳥が啼いている。「1μSv/h以下だから大丈夫だよ」と云われても敢えて訪れようという気にならない観光客の心理も判らないではない。

 「国や東電の責任は大きい」等と声高に叫んでも何も解決はしない。福島市に住んで働いている人々は普通に暮らしながら「今まで苦労して育ててきたブランドを守る為にも、今年は干し柿は諦めた」と自分達に出来る対応は自分たちの判断で進めている。

 自分たちでPRに打って出る努力をされている人も居るが、やはり現地に観光客が来ないと始まらない現実が此処には有る。

 この夏、湯巡りの友人から誘われて「行って見たい東北の温泉宿」に「何時行けるか判らないけど必ず遊びに行きます」と予約金を送ると「来てくれるお客さんが居ると思うと励みになります」と返信があった。

 東北・福島市に友人が出来たと思って時間が取れれば遊びに行こう。時間が無ければ美味しかった「黒胡麻ごぼう」を通販注文しよう。そうだ「あづま果樹園の旬の果物」を送ってもらおう。

 食べ損なった円盤餃子を食べに行って鯖湖湯・波来湯にも浸かろう。楽しかった福島市ツーから帰宅して家内とそんな話をしている。

〜諫早市の自宅にて〜

JTB九州(旅物語センター)企画・実施予定の概要

(一日目)

福岡空港〜(ANA246)〜羽田空港〜バス(車中昼食)〜もち処「木乃幡」〜穴原温泉吉川屋
(10:05)          (11:45)              (16:30)       (宿泊)

(二日目)

「ふくしま花の案内人講演」〜バス〜医王寺〜バス〜堀切邸〜飯坂温泉散策〜バス〜
於:吉川屋にて (10:00)               (11:15)   自由昼食(13:00)

             〜福島くだもの狩り〜バス〜四季の里〜バス〜高湯温泉旅館玉子湯
              (13:15)           (16:00)       (16:30)

(三日目)

旅館〜バス〜常磐吾妻スカイライン〜土湯温泉源泉探訪ツアー〜バス〜羽田空港〜
                       (10:00)                (17:30)

             〜(ANA269)〜福岡空港(流れ解散) (ツアー料金¥5,000円)
                      (21:00)

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