菊池市の石橋を訪ねて

 九重や阿蘇で休みを過ごすときに、ついつい通り過ぎてしまいがちな菊池市。所用で菊池温泉に泊まる事になったので、菊池市内の石橋達を見て周ろう。(11/14-11/15/2008)

迫間橋と滝を休み石から
迫間橋を休み石から眺める

 菊池神社に参拝し隈府(わいふ)から程近い迫間(はざま)橋を目指す。普段と違って今回の道案内はニエモンさんのデータを参考にした。上の写真は「名勝・休み石よ迫間滝と(めがね橋)」として知られているようだ。

休み石から

 迫間橋(文政2年架橋)から県道133号に出る手前右側に架かる綿打橋(文政9年架橋)。この綿打橋の上流にも石橋かなと思える橋が架かっていたが残念ながらスーツ姿では確認できず。


ニエモンさんが見逃す筈は無いから

 県道を竜門ダムに向かって橋って雪野に入るところに架かっているのが雪野橋。県道に架かる現在の橋の名前が犬滝橋と成っているので、橋の名前が新しい橋に継承されているケースが多い事から、この雪野橋(明治36年架橋)は犬滝橋と呼ばれていたのかも知れない。

綿打橋

 雪野地区から出て龍門橋(明治22年架橋)に到着。ニエモンさんに倣って朽ちかけたタラップを降りる。ここからしかビューポイントが無いのが雰囲気の良い場所に架かっているだけに残念。

龍門橋

 迫間川を県道伝いに上っていくと道路左に通行止めの看板がある。気をつけて下ってみるが特に通行に支障は無い。嘉永3年架橋の虎口(こく)橋の姿は藪の隙間から。昔から聖護院に通う人達が通ったであろう歴史有る橋だけに残念。

この看板は対岸の写真

 竜門ダム手前の最後の橋、長野橋(明治43年架橋)に向かう。県道に架かる現役の橋だ。石橋好きでも情報無しでは通り過ぎてしまうかもしれない。竜門ダムから先は今日明日の所用を済ませてからだ。一旦、宿に向かう。

陽が落ちてきます。

 さて翌朝は早起きをして温泉を楽しんで所用も済ませて竜門ダムに向かう。ダム周辺のサイクリングロードから少し入った所に仲好(なかよし)橋(平成6年移築)が待っていた。元は大正2年に架橋された白木橋であったという。県道に出てトンネルを潜りダムの上流、鳳来(ほうぎ)の里が見えてきた。聖護院の里だけに趣があるように感じる。

仲好橋

 目指す鳳来(ほうぎ)橋(明治39年架橋)は集落の中を通る道路の上流に残されている。更に上流には滝も見えている。この滝の名前は、そのものズバリで「鳳来の滝」という。

鳳来橋

 一旦、県道を下って雪野の手前から左折して国道387号に出て左折。立門(たてかど)橋(万延元年架橋)に向かう。この立門橋の一部を構成する刎橋の特徴を持つ桁橋も面白い。立門の漆喰の白い文字も読める。ここから橋を渡って旧道を辿り竹の牧に向かう。

立門橋

 赤星商店の先を右手に下った先に目指す竹の牧橋は有ったが、残念ながら藪で姿は確認できない。諦めて永山橋に向かう。県道45号線の橋を渡って右下に下ると、永山橋の手前120〜30m程手前の旧永山橋(文政12年流失)に下って行く手前に永山番所跡の案内が立っている。この案内柱の脇の六地蔵は火災除けの祈願と有る。新しく見えるが江戸時代からの物だとか?

永山口番所跡の防火祈願塔

 六地蔵石憧といえば佐賀型の丸みのある素朴なものばかり見ているので、どうも角ばった立派な石憧が気になった。メモを取らなかったので虚覚えだが棹部分に年号が記されて有ったようにおもう。

永山口番所跡の防火祈願塔

 さて、明治に立門橋と共に往還を支えてきた永山橋は、明治11年に再架橋されたものだという。しかし現物を見ると明治の架橋にしては親柱や高欄が立派過ぎるように感じるのは気のせいかな?

 さて、四町分の岩下橋に向かおうと思っていたら間違って若木に出てしまった。大体の方角を見当つけて望野山の案内看板の方に入っていく。塚原に出る手前で右手に橋が見えた。親柱には若木の文字と長六の文字が見える。架橋年の記載もあるが読めない。雰囲気は石橋なんだがコンクリートしか見えない。気になるなぁ。

元は石橋?

 塚原から県道201号を右折して岩下に向かう。右手に岩平橋が見えた。この橋の下に岩下橋(明治5年架橋)は有った。橋の手前には観音堂?が祀られている。

石組み

 菊池温泉の中心街に向かって県道を下る。嘉永5年に5連のアーチ橋として完成し、現在は1スパンのみ残っている相生橋に向かう。現在は下水道の工事中のようだが、1スパンのアーチ部分だけが取り残されたように残されているのは違和感を感じるが、これもまた致し方ない。

 限られた時間の中で見て周ったので菊池北小学校に作られたという「ゆめのめがね橋」も見逃したし、何時もの装備も持ってなかったので、やや心残りな石橋巡りに成ったが、今度は家内と二人で、ゆっくりと周ってみよう。

 

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